不登校の子、勉強のわからない子のためのプロ家庭教師です

困っている子のために

When one door is closed,many more is open. 「ひとつのドアが閉まっている時、もっとたくさんのドアが開いているんだよ」ボブ・マーリー
プロ家庭教師です。子供達と一緒に勉強して20年以上になります。 ポリシーは大人の目線で見ない、世間の見方に負けない。

学習障害について

私のブログにようこそ!いつも読んで下さりありがとうございます。 不登校、学習障害とくくるのは抵抗を感じます。ひとりひとり、全く違います。 それぞれのお子さんの様子をじっくり見て、その子に合う方法を見つけます。授業後にお母さんとたくさんおしゃべりして、いい勉強法を見つけることも多いです。子供たちは色んな人の目で、色んな角度で見てあげたいですね。私もその一人になりたいです。

九九ができなくても…説明上手な脳科学者に

「えっ」大学の先生なのに「今でも九九ができない」?…なんて思ったのですが…。
対談本「海馬」の中での脳学者の池谷裕二さんの話です。

池谷裕二さんは難しいことをわかりやすく書くことで定評のある脳学者さんです。
対談相手の糸井重里さんは言わずと知れた有名なコピーライターです。
異業種の人が対談するとおもしろい化学反応が起きます。
その二人の対談本「海馬」の中で

池谷さんはこんな体験を語っておられます。

小学生の時の成績は
いつもビリから数えて何番目という程度。
九九も漢字もできない…漢字テストは100点中2点だった。

それでも
子供の頃はできないことをあまり気にしていなかった。その点では幸福だった。

変わったのは
中学校に入って初めて英語が学校の授業に登場したこと。
当時は小学校に英語の授業はなかった。その頃自分は英語塾に行っていた。塾に行ってなかった中学生にとって英語は「はじめてのもの」になる。塾では自分の出来はよくなかったけど、学校では他の人より少しできた。それがすごくうれしかった。そこから勉強に意欲がわいた。

ただ、暗記が得意な年齢をすぎていた。
でも、記憶力が弱くても何かをやったときの方法がわかっていれば、テストの対処ができると実感としてわかってきた。

最小限のことを覚えればあとは方法の組み合わせで導き出せばいい。

数学の公式もほんとうに憶えない。
試験のたびに公式を導き出していた。みんなもそうしていると思ったので後で違うと知ってびっくりした。

やがてその方がいいと思うようになった。

試験のたびに公式を導き出すから、丸暗記している人より時間がかかってしまう。
時間制限のあるテストには不向きだ。
でも「公式を丸暗記している人よりも導き出せる人の方が原理を知っているから応用力がある。」
「丸暗記だとその範囲でしか公式を使えない。」

それを経験メモリーと言うそうです。

今でも、(対談当時)
漢字は大学の講義で、板書するときはしょっちゅう間違えて「ぼくの漢字の間違いを指摘するのをたのしみにしている学生」がいっぱいいる。
以上のような内容でした。


今も九九を覚えてません。
では、どうしているかというと…

例えば…
9×8
10倍にして  9×10=90
9を2回ひく  90-9-9=90-18=72

池谷さん曰く
九九は81個、暗記する必要があるけど。
十倍することと二倍することと半分にする、この3つの方法だけで全部できますと。


私たちもこれに似た計算をした心当たりはありそうですね。
そういえば…
私のいた塾で三角形の面積を「底辺×高さ÷2」ではなく、
「タテ×ヨコ÷2」で教えている先生がいました。
四角形の面積が「タテ×ヨコ」と原理として分かれば、四角形を半分にすれば三角形です。
覚える必要もないです。

多くの面積の公式…例えば台形や円の面積は形を長方形にしてから導き出しています。

台形の面積=(上辺+下辺)×高さ ここで長方形になりますね。 
このままでは面積が2倍になってしまうから2でわる。
(上辺+下辺)×高さ÷2

円の面積=半径×円周 ここまでで長方形。これも2倍になるので2でわる。 
   半径×直径×円周率÷2=半径×半径×2×円周率÷2  
     整理すると見覚えのある公式になります。→半径×半径×円周率 

このように経験で公式が分かった方が楽しいかもしれません。

暗記メモリーよりも経験メモリーの方が応用力がある…考える力がつきます。
池谷さんの本は経験メモリーが鍛えられているから表現が豊富でわかりやすい。
読んだのは下記の本です。だいぶ前に購入し、久しぶりに本棚から引っ張りだし再読しました。
大変興味深く、また読み直したい本です。


 




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こんな教材はどうかな?補数スゴロク

rabit1 数を受け付けない算数が苦手な子に、計算問題をたくさんさせてもそこに強制が少しでもあると算数に苦手意識が増して、逆効果になりかねません。それで、先ず数を好きにさせるため、算数をも楽しませたくて作りました。
 (スゴロクは左下のボタン、PDFファイルでご覧になってください。)
 たすと10になる数字の組み合わせを覚えると計算がらくになるのでExelで作りました。駒はボタンとか小さくなった消しゴムとか身近にあるものを使いました。絵をふんだんに入れて楽しくできるようにしました。
 使い方は、ひとつのサイコロをふって1が出たら9コマ、2が出たら8コマ…その都度10からひいて計算して進みます。  サイコロは6の目までなので、7・8・9はスゴロクのマス目に記入しました。そのマス目に進むと7・8・9の補数の計算をします。
 すぐに計算できない子はあらかじめいっしょに計算をして答えを紙に書きだしました。それを見ながらでもいいのです。大事なのは無理に答えを言わせるのではないようにすること。 先生とどっちが先にゴールするか競争です。これを使ったら子供が私の来るのを待ちかねてサイコロを用意して喜んで自分から計算をするようになりました。

 ←教え子は兎が好きでしたのでウサギのイラストを集めて作ったものです。
"補数スゴロク”

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作文は事実の羅列から

 その子は小学校低学年の頃は作文が書けませんでした。
 難しく考えなくていい、「あったことをそのまま書きましょう」と話しました。
 それでも一文字も書こうとしません。それでその日のあった出来事を少しずさかのぼって…聞きました。「何時ごろ(学校から)戻ったの?」「学校の帰りは何かあった」「午後の授業は何をしたのかな」「お昼は何を食べたかな」などと思い出して、書き出しました。特にお昼に何を食べたかを沢山思い出しました。それをつなげました。これは、事実の羅列…でもこれも立派な作文です。

 中学生になって、作文の宿題がでました。下書きを見ると「それから」を多用した、事実をつなげた作文でした。でも、誰の助けも借りず自分だけで書いたものです。一文字も書けなかったことを思えば大進歩です。

 推敲を頼まれて、一緒に誤字脱字などを直しました。その書き直しをしていると、教え子は別な事実を思い出して、「楽しそうに」新たに書き加えます。そういう様子を見たのは初めてでした。とても嬉しくなりました。

 それならばと、感想も加えるともっといい文になります。

 「その事実があった時どう思った?」と質問しました。しかし、気持ちを表現する言葉がすぐに出てこずペンがピタッと止まってしまいました。それで、「嬉しい」「かなしい」「よかった」「残念だった」など気持ちを表す言葉をいくつか書き出して、選んでもらいました。そうすると文章が生き生きしました。

 でも、無理に書かせてはいけないとも思いました。

 先ほどは実に「楽しそうに」事実を書き加えていました。その「楽しそうに」は教える側が意図しても簡単に出てくるものではありません。

 教師はつい、「これが出来たからあれ」「あれが出来たら次はそれ」というように、すぐに更なる要求したたくなります。でもうっかりすると「楽しそうに」を消しかねません。それを潰してしまったら勿体ないです。元も子もありません。「楽しそうに」は自発で、積極性であります。それを大切にしてゆっくりと次の段階へ行くように誘導したいと心がけました。

 以前のことを思い出すと、今、「楽しそうに」次から次へと事実を書いている姿がとても好ましく思えました。 急ぐことはないのですね。事実の羅列がいいのです。

 


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今、数学ができなくても…

  以前、書店の店頭に高校レベルの数学を大人向けに編集し直した本が平積みされて大々的に売られたことがありました。大人が数学を楽しむようになったということでしょうか。

 私は子供の頃、数学がそれほど得意ではありませんでした。今は楽しめます。論理的思考が大人になって育ったのかもしれません。

  数学(算数)に必要な…論理的理解力の発達のスピードはその人、その人で違います。早い人もいればゆっくりな人もいます。

     一昨年ですが、数学で苦労したある方の手記を思いだしました。覚えていることを書きます。

    その方は中学校で数学が分からなくなり、高校生では完全に受け付けなくなりました。ただ英語は得意です。運の悪いことに高校の担任は数学の先生でした。「英語はできるのだから…数学はできないはずはない、怠けているんだ」と誤解され辛かったそうです。
 大学は入試科目に数学のない学部を選びました。その後、教師をめざし、どうしても数学が必要になりました。やむを得ず久しぶりに数学の勉強を始めました。すると今までのことが嘘のように分かるのです。どうしてだろうかと自分でもびっくりしました。多分、就職で必死だったこともあったかもしれないが、数学を理解できる脳の回路が育ったからではないかと思ったそうです。
 
 その方は数学が出来ない程度のことで苦しんではいけないと結んでおられました。 
 
 大分前のことですが、私もこんなことがありました。当時小4の教え子は小数ができません。いろいろ例を使って説明しても解けません。小数点をずらすところから受け付けないのです。やむおえず、その単元をとばしました。ところが、その4か月位後、再び小数点を解かせました。そしたら、ほとんど説明もしていないのに簡単に解けました。あんなに手こずったのがうそのようでした。
 子供の先のことはわかりません。
 追い詰めるのも諦めるのもどちらも正しくありません。「育つのをあきらめないで待つ」ことが大切です。



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算数で遊ぶ:サイコロ2個でたし算

rabit1  たし算、ひき算など計算が全くできない教え子がいました。サヤエンドウの絵やクッキーの絵などで計算するカラフルで可愛いプリントを用意しても興味を示しません。
 一緒にプリントをした後、「わかったかな?」と、同じプリントを再度やってもらうと全部間違い…。
 実物なら理解しやすいかと、計算球、ブロックをつかったり、小さなお皿を何枚もつかったりしましたが、動かしたり転がしたり、電車ごっこになどになります。関心が別な方向へ行き、計算どころではなくなりました。
 
そこで、計算を「強制」するよりも、ゲーム感覚で算数を楽しませた方がいいと思いました。
 苦手だと思うものをやりたがる子はいません。
 嫌なのにやらせたら、もっと嫌になり更に出来なくなります。
 
 始めたのがサイコロゲームです。
 サイコロ2個用意して、先生と生徒で交互に振り、二つのサイコロの合計数が多い方が勝ちというゲームです。手書きで10回戦の勝敗表を作りました。合計数の多い方に〇少ない方に×をつけました。勝敗表にさりげなく「6+3=9」などと足し算の式を書き込みました。だんだん、教え子もおもしろがるようになり、時には式を自分で書き入れたがるようになりました。
 足し算ができなければ、予め一緒に紙に式と答えを書き出しました。計算ができなくてもいいです。答えを見ながらでもかまいません。 算数が「楽しい」と思ってくれればしめたものです。

 サイコロの絵の計算プリントはその日の宿題用に作りました。左下のボタンからPDFファイルでご覧になれます。
 
 訪問すると、教え子がサイコロを持って待ち受けてくれるようになった時はうれしかったです。

"サイコロでたし算”


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発達障害児に良い授業は他の子にもよい授業 実例集


 発達障害児童にとって分かりやすい授業は、他の子供達にとっても分かりやすい授業です…というこの本のコンセプトがいいです。実例が多く、取り入れやすいです。もちろん個々の子供によって合う合わないがありますが、子どもの様々な行動とその理由なども記述されており、先生の側もそれを理解する助けになります。子供の行動の奥にある理由が分かれば担当する先生の見方も変わります。対応も変わります。この本をヒントにいろんな教材を考えました。
 幼稚園・保育園用、中学生用も出版されています。



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評価の尺度はたくさんある

 もし学校が勉強だけを評価する場になっているとしたら…
 勉強が出来ずほめられることが少ない子には支えが必要です。

 出来ないことばかり指摘され続けられたら、
 子供であろうと大人であろうと誰だって、生きる気力を失いそうになります。
 否定され続けたら、生きていくのが辛い…。
 
 大事なのは、その子の全体像を見ること。

 その子のよさを見つけること。必ずあります。
  
 それは周囲の役目です。

 以前、こんな小学3年生がいました。
 その子は算数の計算ができません。
 できないというより受け付けないようです。
 学校では同級生にそのことをからかわれたようです。

 ところがその子はとても思いやりがあります。
 
 家族が風邪をひいて寝込めば薬や飲み物を用意して運んでいるのを見たことがあります。
 また、お母さんの手が荒れていると気づけば「僕がやる!」と代わって洗い物をしてくれるそうです。
 そんなことが他にもたくさんあるそうです。

 これは「やれ」と言われてできることではありません。
 それをちゃんと評価しているご家族も素晴らしい。
 この子は愛されているなと思いました。
 
 その子はその子のスピードでちゃんと成長しています。
 

 
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過程が大切

 一緒に勉強をしていて一番気を付けること。
  それは、子供を否定しないことです。
  ワーキングメモリが未発達で勉強しても記憶に残りにくい子供がいます。他の人の何倍も練習し、努力してもその成果が見えるまで時間がかかります。本人は出来るようになるまで評価されず本当につらいと思います。だからこそ、その努力の過程をしっかりほめてあげたいです。
  間違えた時は「惜しい」「もう少し」「近くなった」と励まします。
  あるときいつもより出来なくなっていることがありました。様子をみると、前日に学校などの周囲に出来ないことを厳しく指摘されたことがわかりました。否定されたら出来ることまで出来なくなります。
  間違えたものにも間違える理由が必ずあります。そんな事例が多々ありました。
  ものの捉え方はその子なりにみつけた思考回路です。それに沿うようにこちらも説明の仕方を変える等の工夫が必要です。これというマニュアルはありません。その子の様子をみながらいろいろ試します。またご家族の話も大変参考になります。そして、こちらがあきらめずに繰り返すうちにワーキングメモリも発達します。


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計算の答えを覚えてたら…

 数字を覚えるのが得意な子がいました。
 「今日、学校でどこを勉強したの」と聞くと、教科書のページ数で教えてくれます。
 どこの単元かなら言えますが、私にはできません。すごいですね。
 内容よりも数字の方が覚えやすいのですね。
 計算プリントを解いて、同じプリントをもういちど解くように指示すると答えの数字を覚えていることが多々あります。答えだけ書いてにこっとされたりして…。
 ちょっと困りますが、数字を覚えられるのは能力です。
 そういうときは、途中式も出来ていればOKとします。
 答えしか書いてない場合は途中式を書いてもらいます。さすがに答えが合っているものの途中式にその数字が全くないときは理由を説明して×にしました。
 数字を覚えられるならばと、因数分解や平方根のときは2~15までの2乗の答えを表にして壁に張りました。
 これは覚えると計算が楽になるので、この表はどの子にも渡します。
 一緒に問題を解きながら、計算が面倒なときは表を見ます。
 そのうち覚えてしまいます。16と17の2乗も書き加えました。今では289ときくとすぐに17と答えてくれます。
 得意なところが突破口! 

55は5の組合せでなくて塊に見えるよ

 算数を受け付けない子がいます。

 算数(数学)は抽象の学問です。

 その子は抽象化が得意ではありません。
 例えば鉛筆の「5本」とお皿の「5枚」は抽象化すると同じ「5」です。しかし、その子は、別々なものと捉えてゆるぎません。同じ「5」と説明をしようとして「5」と紙に書いたら、新たに「紙に書いた5」が加わって更にややこしくなり…。(確かにお皿と鉛筆は違いますよね。その子の言い分が合っているとは思いますが、ここは抽象化のお話なのでお許しください。)

  数を順番に書けない子は、数字をどう捉えているのでしょうか。
  数字は0~9の数字を組み合わせれば無限に数をあらわせます。ところが、その子は全く違う文字と捉えるようです。1~100なら100種類、1000までなら1000種類…別々の文字と認識してるようです。例えば55を5と5の組み合わせと分解しないのですね。塊として見ます。ですから全部覚えなくちゃいけなくなる。計算が出来ない上に意味の分からない字を沢山書こうとするのはつらいですね。

   抽象概念の発達速度は人によって違います。
  計算力は生活するうえで必要です。しかし、「出来ない」からと焦って追い詰めないこと。算数を本格的に嫌いになってしまいます。やがて数に拒絶反応をするようになってしまいます。そうしたら出来るものも出来なくなってしまう。

 ある日、その子から算数は嫌いだという言葉をきいたときは、さすがに考えてしまいました。それでお母さんに経緯を話して、了解を頂き、計算問題をやめ、数の遊びに切り替えました。いろいろ試した中で、補数スゴロクとサイコロ足し算(別項参考)を楽しんでくれました。やがて授業に行くと教え子がスゴロクとサイコロを用意をして待ちかまえるようになりました。算数をしているとは思ってなかったようです。でも進んで計算をしてくれました(笑)。かわいいですね。できるできないは問題ではありません。楽しんでくれればいいのです。計算を間違えても追及せず、違うよと直してさっさと次に行きます。数を楽しいと思ってくれれば成功です。
 
  こちらの発想を変えたいと思います。
  他の人と違う捉え方ができることはむしろその子の「強み」であると。
  発達障害でよく名前のあがるアインシュタインは計算が遅く誤りも多かったそうです。 走っている電車を見て、電車が止まっていて地面が動いている…このような発想は彼だからこそできたのでしょう。 その「強み」で彼は科学に革命を起こしました。


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宿題したくないよ…

 宿題を忘れない子がいました。宿題を出すと、すぐにやらないと気が済みません。
 ところが思春期になると、宿題忘れが目立つようになりました。
 出題範囲を分散するとやり残します。例えばプリントは全部するけど、教科書やワークから出した分は忘れる等。
 それで宿題出題範囲表を作って、授業の終わりに宿題内容を本人に書き込ませるようにました。喜んで積極的に書き入れてくれます。始めはそれでも忘れましたが、徐々に全部やりきることも増えました。

 ところで宿題忘れには 同情できる面もあります。
 宿題を沢山したからといって、成績は簡単に上昇しません。何度も反復して、少し休止期間を置き、再び始めるなどをする中で出来るようになるケースが多いのです。そのプロセスの長さで本人は勉強をするモチベーションを保てなくなったかもしれません。

 こんなっことがありました。
 私は漢字の書き取りを宿題に出します。翌週の授業で書き取りチェックテストをします。あるとき、いつもより点数が低いことがありました。 本人は「たくさん練習したのに…」と初めてつぶやきました。今まで点数があまり伸びなくても黙々と書き取りを続けました。「めげない子だ」と敬服しました。だから、これを聞いたときは、胸が痛みました。

 何が効果的か、色んな模索をした中から一つ思いつきました。英単語練習表を宿題にしてましたが、綴りはあまり覚えられません。しかし訳をかなり覚えます。それで授業に単語の和訳テストを組み入れました。

 するとテストを重ねるたびに得点がぐんぐん伸びます。100点をとることもあります。これには本人もとても喜びました。

 宿題をしていないことを責めても追い込むだけです。得意な部分を見つけ、成果をだし、そこを励まして、他も頑張ろうという気持ちにさせてあげたいですね。
 
  

解くプロセスをゆっくりたどる

  子供たちと一緒に勉強をしていると、人間の理解の仕方の経路を詳しく教えてもらっているような気持ちになります。私の教えたち子は不注意ミスであっても「よく見なさい」という指導は通用しません。どこを見て、そう判断したのかちゃんとプロセスを見ることが必要です。
 例えば算数の計算問題はパッと見てすぐにとりかかれそうです。
 しかし、子供たちはは各段階を踏むことから始まります。
 四則混合計算を解く場合。「+」と「×」があれば…どこから計算するか…「×」が先だ…解いた…あっ「+」の計算をし忘れた…このように、ひとつひとつ判断して、その経路をハッキリ見せます。
 無意識で気付きませんでしたが、人間って計算ひとつにもいろんなことを瞬時に判別して解くのですね。
 国語の文章問題も子供たちが不正解を言うと、おとなは「よく見なさい」とか「ちゃんと読みなさい」とおおまかに言いがちです。しかし、それでは子供たちは文章全体をただ眺めるだけで、どうしていいか分からなくなり困惑します。それよりも、問題文のキーワードはどれか。その言葉から文章のどの箇所を探すのか(読むのか)そこをどうやって見つけたらいいのかを具体的に一緒にたどります。
 それを繰り返すうちに子供も見つけるのが上手になります。
 一緒にそうしながら実は私自身も無意識にそうやって答えを見つけてたと改めて認識しました。思考の経路を意識すると、人間の脳っておもしろいなあと思います。
 ところで教え子には答えを先に教えて、どういう経路でその答えなるのかと逆のプロセスを一緒にたどることもあります。哲学で言えば帰納法ですね。
 これも結構楽しいです。経路を見るのはおもしろいです。
 


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読みづらい、読めない、読まない

 本を読むと字や行をとばして意味が通るように読めない子は、「見え方」が原因ではと思います。もしかしたら文章の行と行が波打って重なって見えているかもしれません。その「見え方」は本人にとって普通なので「読みにくい」と思いもつきません。むしろその「見え方」で他の人はちゃんと読めるんだと思います。そして「自分だけできない」と落ち込みます。だから本人は読みにくいとは主張することさえもうかびません。周囲がよく見なくては気付けません。
  読むとき、本に定規あてて隣の行を隠すと読むのが楽になります。ずっと定規をあてて読んでいるうちにあまり定規をあてなくても読めるようになることもあります。
 そのような「見え方」で本を読もうとするのは視覚に負担がかかって…もしかしたら、頭痛を伴うなど疲労も大きいのではと…想像します。



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苦手なこと優先学習はやめよう

  子供がある程度出来るようになると、出来ない部分ばかりを繰り返し勉強させたくなります。しかし、それが続くと子供はだんだん元気がなくなり、あげくに好きだったはずのその科目を素直な子供さえ嫌いと言い出します。
 そこではたと反省…出来るようにしたくて自分が突っ走っていたのに気づきました。
 どんな子供だって出来ないことばかりさせられたら、嫌になって当然です。まして、学習障害の子は出来るようになるまで時間が必要です。その間ずっと出来ないことばかりさせられたら…ただでさえ、「出来ない」と言われ続けた子には辛いです。それで内容を変えました。出来るものを増やして、出来て欲しいものの量を少しに減らしました。もちろん出来ないからと諦めたわけではありません。でも勉強を楽しませる配分は考慮することが必要です。
 子供達の苦手集中は受験勉強のように目標のある場合以外はしません。


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発達障害児診断…慎重に

ss 便宜上この発達障害という言葉を使いますが、対人には簡単に使えません。

 昔から発達障害とおぼしき子はいました。

   急に増えたわけではありません。

  この言葉を得て意識されるようになったのでしょう。

   言葉があることで対応が研究されやすくなる等の利点もあるかと思います。 最近の教育現場では、発達障害なら早く対応を…とすぐ動くそうです。

 しかし、専門医の中には「拙速と」心配される方もいます。それは発達障害のように見える子でもいじめ等の環境的ストレスなどの別な問題が潜んでいることがあるからです。

 国によって、以下のようにかなり時間をかけて慎重に診断するところもあります。

「発達障害は『チェックシート』などで簡単に判断出来ません。アメリカのニューヨーク州では児童精神科医・教育心理学者・言語聴覚士・作業療法士・管理栄養士・校長・担任・ソーシャルワーカーなどの専門家が集まり、6ヶ月にわたり子供を鑑別診断して初めて診断名を下します。」
(参考:品川裕香著「気になる子がぐんぐん伸びる授業」小学館より)

 慎重を期したいです。


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全部、別々

 中学生の教え子は8時に眠くなります。10時間眠ります。
 私は中学生の頃は就寝は10時を過ぎるのが当たり前でした。親に内緒で深夜放送にもはまっていたし。
 人によって必要な睡眠時間は違います。ナポレオンの睡眠時間は3時間と言われています。(馬上で居眠りをしていたという話もありますが) アインシュタインは10時間だとか。 
 睡眠時間は即断即決する政治家のような人は短いとか。神経を使う人は長いとか。そんな説もありました。 
 ところで、
 教え子はさまざまなものを別なものとして認識します。
 例えば英単語をフラッシュカードで練習しました。カードを見せると意味が言えるようになりました。それで教科書を読みました。ところがカードと同じ単語が出てもわかりません。再びカードを見せると言えます。同じ単語でもカードと教科書では同じと認識しません。その後、一致するようになりましたが、当初は別なものと認識したと思われます。
 カードのみならず、もしかしたら、いろんなものを別々に認識していたのはないかと思いました。その分エネルギーを結構使うのではないでしょうか。あらゆることもすべてがそうなら疲れます。早く眠くなるのもうなづけます。長い睡眠時間が必要なわけです。
 

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理解の飛躍が楽しい!

 出来るようになるまで時間が必要なこと。
 単純な内容で…何度説明しても受け付けないことがあります。 

 でも「出来ない」と、諦める必要はありません。今できなくても急に出来るようになることが多いのです。

 こんな経験をしました。小4の子と小数の練習をしたときです。5を10分の1にするなら、0.5 、100分の1なら0.05と小数点の位置をずらせばいいと説明し、繰り返し練習しますが受け付けません。元にもどってしまいます。学校が次の単元に進んだので、一旦小数の勉強はやめました。その数か月後に久しぶりに小数の問題をやったら、以前がうそのように小数点の位置をさっさとずらします。あまりにアッサリ解いてくれて拍子抜けしました。
 すぐに出来るようになれと迫るのではなく、間に時間をおくとちゃんと心にストンとおちるようになるのですね。
 階段の途中の踊り場にいる時間が長くて急にトーンと上段にあがるような感じでした。



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