NPO法人自由創造ラボたんぽぽ主催で、
2019年8月3日
藤沢市民会館で、
「最先端の教育とは~多様なマナビのかたち」
竹内薫×茂木健一郎のトークセッションに行きました。
その感想と内容をまとめました。
茂木さん竹内さん藤沢2s


















 お二人が登場し、主催者側の開始の挨拶中、竹内先生は着席されてましたが、開始早々に茂木先生は舞台を縦横に歩き回りました。
 私は、以前、友達から「茂木さんの講演へ行ったけど茂木さんは自由」と聞いてました。それを思い出しつつ、その話に違わぬ楽しい先生と思って眺めていました。

 トークの途中で会場の小5のお子さんを舞台にあげて茂木先生はインタビューを始めました。
  茂木さんはいろんな質問をしますが、小5の子は「えっと、え~と」という感じてすぐに答えられません。
 茂木さんはそれを「いいことです」と褒めました。

「ちゃんと答えようと考えるからスグに答えられないんです」と。

 確かに…子供は大人の質問に即答できないことが多いです。
 答えが出るまでじっと待つのが重要ですが、つい急がせてしまいます。すると子供たちは「別に…」という便利な言葉に気が付き、その後それを連発するようになってしまい…何も言わなくなってしまいます。もったいない…茂木先生は大人がしがちな失敗をしません。

 今回はトークのステージですので時間的な制約もあります。茂木さんの先の言葉はベストフォローでした。

 また、茂木さんはそのお子さんが録画中のカメラに映らない位置に誘導するなど気遣ってました。冒頭の茂木さんの自由に見えた行動は、そのカメラの映る範囲は舞台のどこからどこまでかをチェックしていらしたとおっしゃってましたが…その子のプライバシーも守ったということですね。

 動き回る茂木さんに対して、竹内さんは落ち着いた感じがしましたが、その竹内さんも立ちあがってトークが続きました。

 竹内さんはサイエンスライターです。教育テレビのサイエンスゼロの司会をされてます。娘さんに合う学校が無いとご自分で学校を作りました。ご自身は不登校を経験しています。(NPO法人自由創造たんぽぽラボ編 小冊子「ありのままで」参照)

 お二人は大学時代からの親友です。これについては後半で質問に答えてます。

※以下メモをもとにまとめたトークの内容です。語尾は「です、ます」の敬体に統一しました。主旨は違えないよう注意しました。自由なトークであり、私の感じたポイントですので途中、内容が飛んだように感じる部分もありますがご容赦ください。

茂木健一郎さん(以下、茂木さん)
 日本は教育の経験値が低すぎます。読み書きが必須で、教育は学校だけだと思い込んでいます。アメリカは100万単位でホームスクーリングがあり、普通のことです。日本は明治以来の失敗。作曲家のアルマ・ドイチャー(イギリス、2005年生まれ 現代のモーツァルトと言われるは学校へ三日しかいってません。学校は唯一の教育の場ではないです。

竹内薫さん(以下、竹内さん)
 日本の教育はプロイセンから輸入しました。それは軍隊を作るためのもので暗記型です。しかし、これからは人工知能に、今ある仕事の半分を持っていかれます。古い教育からの脱出が必要です。

 教育の目標は、社会に出たとき幸福に生きていくことです。

 私の作った学校の授業は1/2は英語、1/2は日本語、数学とプログラミングも学びます。全日制の生徒が増えてます。ただ、東京校は難しいです。子供はいいが、親がついてこれません。この学校に入学すれば大丈夫と、学校に丸投げの発想ではうまくいきません。問題の大部分は親。学校は親との連携が必要です。問題がある子がいれば親と話し合いますが、それを嫌う親もいます。

茂木さん 
 学習障害とギフティの問題は似てます。(両方とも)非典型的な子。スティーブン・ウィルシャー(イギリス・建築画家)はコミニケーションは出来ません。でも上空から見た街を、ビルディングの窓の数まで正確に再現できます。端からその絵を描き始めます。教室の一斉授業に合わない子です。

竹内さん 
 学年という概念もおかしいです。わかりやすいのが3月生まれと4月生まれ、一年近く違うのに一緒にしてます。一人の先生が個別にみられるのは10人が適正です。日本はプロイセン方式の教育を150年も続けています。

茂木さん 
 アメリカは教育の免許制度 Teach of Americaがあります。しかし、Teach of Japanができません。日本はこれ以上沈むとやばいと(気付く)スイッチがはいるのはいつだろうか…と思います。

 アメリカなどではハッカーなどPCが得意な子供、中学生等がセキュリティ部門の仕事へ応募し、採用され、早いうちに囲い込みをしますが、日本はやろうともしません。
 暗記などググれば誰でもできることをまだ持ち上げてます。(テレビの)東大生クイズなどがそれで、まだ有難がっています。

竹内さん
 第一次~第三次産業革命で暗記式学習は終焉を迎えています。これからはAIで不要になります。(日本はそれに)替わるのが出てきません。15年後には世の中が変わります。

 ゲームはクリアまで150時間かかります。自分もファイナルファンタジーを50歳から始めました。ゲームでマルチタスク能力が高くなります。脳を活性化します。

茂木さん 
 日本のマスコミはWHOのゲームについての資料を悪いと言っている部分だけを取り上げて害を強調します。バカです。WHOの資料をトータルで読めばゲームを評価しています。やりすぎや依存などはゲーム独自の害ではありません。

竹内さん
 ドラクエビルダーズは街や城壁などをつくるゲームです。

茂木さん 
 子供は高度な戦略をゲームでやっています。一人が将軍をやって世界中のゲーマーに指示して街などをつくりあげます。その将軍が実は8歳の子でした。
 全体を把握して指示をだせる、それができる子を世界が求め始めています。その変化への恐怖感を伝えるメディアはレベルが低すぎます。
 日本のユーチューバーもレベルが低いです。テレビのバラエティの真似です。
 日本には三つバカの壁があります。
   普通の教育のバカの壁
   メディアのバカの壁   テレビ
   ネットのバカの壁    テレビの劣化版

 日本でいいのは唯一、アニメだけです。

竹内さん
 日本は考えない訓練をずっとやっています。
 イギリスは15年前からプログラミング教育を始めました。その前に先生をちゃんと養成しています。日本は来年からやるそうですが、すでにイギリスに6年遅れてます。

茂木さん 
 英語力も必要です。小1で英検一級が目安。
 日本語圏を出て英語を読めなければ情報は得られません。

竹内さん
 今は幕末なのに、まだ、江戸中期の感覚でいます。

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  茂木さんが会場の小5の子供さんを舞台に上げに即席インタビュー
    茂木さん いつも何しているの。ゲームはしてる?
    小5の子 学校へは行ってない。マイクラをやっている。
    茂木さん マイクラの攻略法は英語で書かれてるけど…英語はやってる?
    小5の子 …少し始めた。
 
        …などのやりとりがあり、子供さんは退場。
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茂木さん 
 何歳でこうなればいいは、おかしいです。

竹内さん
 文部科学省も来年変えると言ってます。15年後もこのままだったら日本は滅びています。

茂木さん 
 ガレージバンドを知ってますか。
 一人でもバンドを作れます。フィナーレというソフトがあればできます。自分も出来はよくないけど作曲し公開しました。
 18歳まで楽器がダメ、音符が読めない、歌も下手な人が久石譲の現代音楽コンクールで優勝しました。

竹内さん
 自分はフリーランスが長いので学校に行かない不安がわかりません。仕事も原稿を書くので「引きこもり」です。不安な人はどこかに属したい、江戸時代の藩の感覚ではありませんか。

茂木さん
 基準があります。ちゃんとしたものが作れれば学校に行かなくてもいいです。無名時代の竹内は(出版社などに)企画を売り込んでいました。

竹内さん 
 たくさん出版社に企画を持ち込みまました。

 現在、自分の娘が行く学校が日本に無いから学校を作りました。

茂木さん
 若者が生き生きしていないと言うが、大人の責任です。リクルートスーツの若者などがそれ。

竹内さん
 何もないのに赤信号で止まる日本人歩行者。
 アメリカではそれをしたら、警官に不思議がられました。規則だから「こうやる」は思考停止です。もちろん自動車は歩行者と違い、危険だから信号を守るべきですけど。
茂木さん竹内さん藤沢1s
質問タイム
質問①
集中力について。アリの列をじっと眺めるのとマイクラにハマるのは違いますか。読書をすると寝落ちします。スマホはしません。

竹内さん
 好きなことは集中するものです。

茂木さん
 デジタルは意味が既に構成されています。アナログは見る人が意味を探します。アリの列なら、アリの動き、列の線など着眼点がいろいろあります。デジタルは何を読み取るかの力はつきません。

質問② 
お二人の読書の経験を聞かせてください。

竹内さん
 マンガ少年でした。
 子供の頃、おばにマンガを買ってあげるけど、一冊、活字の本も選ぶようにと言われました。仕方なく「がんばれヘンリー君」を選んだのですが、それがきっかけで本も読むようになりました。小学校高学年、中学ではふとんの中でも読むような本の虫になりました。

茂木さん
 アニメ・マンガ・活字は情報の質が違います。
 アニメは風景を体験できます。セリフの掛け合いは活字では味わえません。

 自分は岩波の解説目録を読むのが好きです。
 ジイドの「聖アントニウスの誘惑」の解説など読むと、情報の圧縮力がすごいです。

 ソフィストは物事の本質でないことを語ります。
 ソフィストとソクラテスの対話はマンガでは表現できない濃縮力があります。

 マンガ、アニメ、本、全部必要です。

質問者から… 
小3の子供はいつも「かいけつゾロリ」しか読みません。

茂木さん 竹内さん
全巻、読みつくすまでいいのでは?

茂木さん
(ゾロリは)50冊以上出てるの?では、飽きるまで。

質問③
 人とのきずなが大切。でも引きこもりを肯定するようになるとラクになりました。引きこもりをイメージアップする、よいキャッチフレーズはありませんか。

竹内さん
 「引きこもり」の定義は何かということ。
人と会うのが怖い「引きこもり」は改善が必要です。
好きなことをやる「引きこもり」ならオタクです。

社会生活ができ、生きていければいいと思います。

茂木さん
 いいキャッチフレーズは…難しい…できません。
社会性の捉え方。ヘンリー・ダーガー(アメリカ・画家)は60年間誰にも知られず絵を描き続けました。彼の死の直前、絵が発見され、その作品に周囲は驚嘆しました。

 内面を表現する力があれば下手でも発表できればよいです。

 子供にはできるだけ多くの表現の仕方を教えるのが大事です。

 子供に作業をさせて、時間がきたらその都度片づけるのは本当はよくありません。時間制限なくやって、中断したらそのままにして、次はそこから続きができるのが理想的です。場所に制限があるとむずかしいですが。プロジェクトは一日では終わらないものです。

竹内さん
 自分の作業もやりかけのまま片づけません…原稿はちらかった汚い部屋で書いています。猫も邪魔をしにきます。編集者はそれを見てびっくりします。

質問④(子供からの) 
夜寝ないと人間死んじゃうから。好きなものをずっとやってて寝ないと死ぬの?

竹内さん
 気が付くとどっかで寝ちゃうから安心してください。

茂木さん
 脳は寝ているときも休んでません。記憶の整理をしています。
 いい考えが出なくても、寝ると新しいことを思いつくことがよくありますね?寝るのはムダではありません。

質問⑤(子供からの)お二人のつながりは?

竹内さん
 大学卒業後、物理学科、大学3年に編入しました。そこに茂木がいました。

茂木さん
 30何年間一緒にいます。大人になると利害関係ができるが、子供時代にはそれが無いからいいです。

質問⑥
 テレビではこんなに舞台を自由に歩き回る茂木さんを見たことがありません。こういう行動をとるのは何か意図があるのですか。

竹内さん 
今回のトークは本音で話してます。テレビは台本やNGワードなど制約があります。

茂木さん 
テレビなどのホスト役の時はゲストを事前に調べ、自分を出しません。

質問者 
自由にふるまったのは子供たちを勇気づけるためですか。

茂木さん 
そうです。こんなに自由にしていいんだと思ってほしい。
アメリカの州はホームスクーリングの子供を支援しなければなりません。
子供のニーズに応える、メンター的には大人が必要です。その子供の興味に合わせて、それに合うものを提供、あるいはその道のエキスパートと会わせるなどします。学校は子供のそんなニーズにどこまで応えられるかどうか。

以上メモをもとにまとめました。

終わりに…主催NPO法人の簡単なご紹介
他にも魅力的な、セミナーを開催されてます。
興味がある方は以下のリンクからHPをそっと見てくださいね。

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