進撃の巨人The final seasonが始まりました。
 巨人が人を食う…世間の評判に関わらず、怖くて見なかったのですが、岡田斗司夫さんのゼミ動画で…群像劇であること、原作の描写、アニメの立体軌道の描写もほめたのを聞き興味をもち、また以前、教え子から「見ないの?」と呆れられたのも後押ししました。

 重い内容です。1話でヘコミ、思い直して8話~59話、観ました。深い…大長編。「何を今更」と思う方ごめんなさい。食わず嫌いはもったいないですね。

 今放送中のThe final season。知らないキャラばかり「???」…。season3までの「敵」側が主役でした。

 今までの敵…巨人を輩出する側の人たちです。彼らもエレン側を野蛮人と憎悪し、我が子が戦争で活躍するのを誇りに思います。お互いの人間性を知らず殺し合う話の始まり…になるのでしょうか。
 
烏賀陽弘道の著書「世界標準の戦争と平和」
 (今年読んだ私のベストワンです。)



現実の政策判断に用いてはならないと以下の三点をあげました。
・好き嫌いの「好嫌」判断
・良い悪いの「善悪」判断
・勝ち負けの「勝負」判断

 その理由はこれらはフィクションやスポーツの発想で現実は明確に分かれないからだと。

 ところが、実際は、これを報道などで煽り、戦争に突入する…このパターンは繰り返されてるようです。


 戦争は誰が得をするのか?
 戦争の現実は…戦争を鼓舞し、送り出した支配者側と、最前線に行った人々の敗戦後の姿が、上橋菜穂子さんの物語「炎路を行く者」にとてもよく描かれています。

 守り人シリーズの本編に登場する重要な脇役、ヒュウゴが主役の小説です。NHKのドラマでは鈴木亮平さんが演じました。
守り人シリーズ電子版 炎路を行く者
上橋菜穂子
偕成社
2020-03-09


 ヒュウゴの父は王族・貴族を守る近衛兵のエリートです。ヒュウゴも父を尊敬し、後継者になるべく訓練を怠らない少年です。
 ところが、家族は全員殺されます。
 敗戦後、父が命をかけて守ろうとした王族・貴族は「敵」とうまく折り合い、裕福な生活を続けてました。町で出会った役人は新しい政権にうまく取り入り、ヒュウゴ馬鹿にします。その理不尽さに荒れ狂ったヒューゴはすさんだ生活へ…
 ※2015年にこの本の感想を書いてました。↓

 現実もこの物語とそっくりです。
 今更、糾弾せよとか思いませんが、既に孫、ひ孫の世代です。
 ただ、戦争の検証もしてない現実の日本、教育が怖いです。このままでは戦争になったら、この図式は繰り返されると思います。
 戦争経験者は戦争になると「分かった時はもう遅い、止められない」と言います。
 だから「そんなことはない」とバカにされるような芽のうちに摘む必要があると。

 進撃の巨人The final seasonは二話まで見た限りでは、戦争に送り出す支配者は安全なところにいます。最前線に行かされる少年、少女の陣種は支配層から差別されてます。しかし、家族も含め敵を憎み戦争へ行くのが正しい道と信じ切っています。3seasonまで見た視聴者はいい意味で戸惑います。
 エレンたちの調査兵団入隊、潜入した「鎧の巨人」の青年も、帰還してます。エレンと喜怒哀楽を共にエピソードもあったと思うのですが、野蛮人の中にいたとうなされます。…意外…故郷に戻れば記憶はリセットするのでしょうか。たしか、エレンに正体を現した直後も記憶に混乱をきたした描写がありました。

 戦争への道は…

 この数年、他国に対して不安感を煽り、嫌う報道が…テレビのチャンネルを替えても替えても朝から晩まで連日繰り返すことがありました。見てるうちに、刷り込まれ、テレビの通りにその国を嫌悪する…。最近、見識のある婦人に「韓国は嫌いだ」と力説されました。理由を聞くと当時のテレビの報道そのままでした。テレビは感情の装置です。実際に韓国に行った人の話などをして覆したら、黙ってしまいましたが、かくいう私も例外ではありません。危ないなと思ったら、テレビのスイッチを切ります。

 ジャーナリストは戦争を止めるためにいると言い切るジャーナリストがいます。その方をテレビで見なくなって久しいです。

 さきの烏賀陽さんもテレビで見たことない…。

 どこの国にも日本と同じようにいい人も悪いひともいます。当たり前のことなのにそれをふっとばすテレビ。

 嫌な面があっても全部だめとするのは…怖いです。

 太平洋戦争も「鬼畜米英」とアメリカ人やイギリス人を嫌い、殺すのを正当化しました。
 ところが、日本は敗戦したら、簡単に…アメリカはあこがれの国へ。生き残るためには必要だったかもしれませんが。ちゃんと検証する日本人は変わり者扱いです。それに耐えられなかった人はごく少数です。

 政治家が戦争に対して問題発言を他国から抗議を受ける報道があります。それは先祖の名誉を傷つけたくない、名誉を守りたい感情が優先されたもので非常に情緒的です。立場主義です。検証はみられません。おそらく先人を敬うつもりで「どこが悪い?」と思っているのではないかと思われます。繰り返しますが、情緒で判断してはいけないことがあります。

 ドイツは戦後、ネオナチなどのヒットラーを懐古する勢力が報道されましたが、ドイツの首相はスグに、はっきり批判しました。長年の反省と検証をふまえたからこその速やかな対応です。ドイツはナチスの犯罪者は今でも指名手配中です。つかまれば裁判にかけ処刑されます。時効はありません。「罪」に対しても徹底してます。
 

 このThe final seasonは3seasonまで「敵」として視聴者が認識してた側が主役で始まりました。彼らの生活を丁寧に描かれてます。これを見終わったらどんな気持ちになるのでしょうか。見るのはちょっとしんどいですが見ようと思います。





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