不登校の子、勉強のわからない子のためのプロ家庭教師です

困っている子のために

When one door is closed,many more is open. 「ひとつのドアが閉まっている時、もっとたくさんのドアが開いているんだよ」ボブ・マーリー
元不登校で共感力が強い家庭教師です。
家庭教師歴20年以上 大人の目線で見ない、世間の見方に流されません。 その子の道が必ずあります。

2018年04月

 不登校、学習障害とくくるのは抵抗を感じます。
 ひとりひとり、全く違います。
 それぞれのお子さんの様子をじっくり見て、その子に合う方法を見つけます。授業後にお母さんとたくさんおしゃべりして、いい勉強法を見つけることも多いです。
 子供たちは色んな人の目で、色んな角度で見てあげたいですね。私もその一人です。

不登校リスクとは 実務家の視点

「不登校ほど、『きっかけ』と『原因』が混同される子供をわたしは知らない。
不登校には必ずきっかけがある。
友達にへんなことを言われた。
教室でいやな経験をした。
しかし、これはあくまで『きっかけ』であっても、
『原因』ではないことの方が多い。」
原因、すなわち問題の所在とは、
「みんなと仲良くしなければならないという大前提、これが原因である場合が非常に多いのだ。」
   小栗正幸著「生きづらさを和らげる対話術」より
                     ※みんなと仲良くについて「友達100人」も要らない 参照

不登校の対策として、この本はとても示唆に富んでいます。

小栗正幸氏は、法務省に所属する心理学の専門家(法務技官)として各地の矯正施設に勤務。宮川医療少年院長を退官後、(本書執筆時は)学校巡回に従事し、先生方に子供への接し方のアドバイスをしています。

経歴からも想像できますが、大変困難な状況下にある親や子供たちと多く接した経験をもちます。

でも、それだけではありません。
当ブログのほかのページでも触れましたが…
私はかつて小栗氏が教育テレビの討論番組に出演したのを見たとき、我が子の家庭内暴力に悩むお母さんたち個々への氏の接し方や口調にとても温かみを感じました。

この本も温かみがあります。

この著書には不登校について、原因は「親のせい」とはどこにも書いてありません。
更に、別な著書ですが周囲が言いがちな「親の愛情不足」という言葉を「不毛な言葉」とはっきり批判してます。
         ※親の愛情不足について「無神経な正論」へ反論 参照

本書は
日本の学校が共通してかかえる悩み、
学業不振、不登校、暴言や暴力、いじめや非行などを氏の視点から捉え直したときに見えてくるもの、それへの対話術と、小栗氏が巡回先の学校の先生に伝えていることを一冊の本にまとめたものです。

(補足)
 私がこの本を取り上げたのは学校へ戻すことの効果を期待したものではなく、最も大切な子供自身が自分で決めて自分で立ち上がるのを目指している点です。その結果、学校へ行くのはいいと思いますが、それ以外の道があっていいと思います。






もちろん、不登校についても多くのページを割いてます。

以下「 」内は引用です。


筆者の不登校への基本姿勢

「半世紀以上にわたって、不登校論議を交わしてこられた専門家には申し訳ない限りだが、『この50年以上、不登校の本質は寸分たりとも変わっていない。今まで交わされてきた不登校論議はとても高邁で、人間性に満ちたものだとは思う。しかし、どうも不登校の本質にヒットしていない。だから不登校は減るはずがない』というのがわたしの持論である。
後からのこのこ出てきてひどいことを言うなあ、と怒らないでほしい。白状すると私は団塊の世代だ。いわば不登校の人たちの推移との同居人である。そうした背景をもって言うのだから、これも年の功だと思って、わたしの話を聞いてほしい。」

…主旨は前半部分ですが、それだけだと厳しい言葉に聞こえてしまうかもしれません。それで長文を引用させていただきました。

今まで尽力された方々を否定したものではないと断りつつ…筆者は率直に意見を述べ始めます。

筆者は、
不登校を起こしやすくする[なにものか]をリスク(危険要因)と名付けます。

その数は不登校の研究者の数だけあるそうです。
現実に子供たちに会っていると、いろんなリスクが目に付き増えるもの無理もないと、筆者は同情しつつ…要因を大きく三つに絞り込んで論を進めます。

本書では起立性調節障害、生活習慣獲得不全、不定愁訴などのリスクは論旨を明確にするためあえて入れてません。                         
                  ※起立性自律障害についてはこちら

不登校の三大リスク 
(リスクが一つ乃至二つ以上合併する場合もある。)

①こだわり(決め付け)…不登校リスクでもっとも大きいもの 
「不器用というか、融通が利かないというか、
わたしたちなら何でもないようなことに『こだわって』自分を追い詰める。
結局課題は乗り越えられず不全感を募らせる」 

その課題はあまりにも当たり前のこと「わかりきった事柄」ばかりだから、逆に、支援指導が難しい。

「それが『みんな』の当たり前な(無意味な)課題ではなく、
『自分』の特別な課題になってしまうのが本書の主役たちである。
しかも、息苦しさを感じるが、それが何であるのかを洞察できない。」

②学業不振  
学業不振は自尊心の低下につながり、子供の学校生活への積極性や能動性を阻害する。
発達障害が絡むものもある。

③対人トラブル  
「不登校の『きっかけ』であって『原因』ではないことの方が多い。

不登校の人は元々自信がなかったり、被害感が強かったり、不信感が強かったりする人ではない。
そのかわり、コミュニケーションの力に課題をかかえている人が多い。」

コミュニケーション能力の課題とは…
     相手の考えていることを想像する力が弱い。「メタ認知」が弱い。

「メタ認知」
  筆者は専門用語は避けていますが、この言葉だけは使いたいと言います。
  それだけ重要なことと思われます。

 「メタ認知」とは…自分の姿を第三者の目線で客観的に見つめる、
          成熟した認知スタイルのこと。
     一般的に小学3年から5年生にかけて発達する。
     メタ認知があれば…
       子供は複雑な対人関係を処理でき、社会性がつく。
     例えば、
      「わたしは、いまこの遊びがしたい」
      「でも友達のAさんは、いまこの遊びをしたくないかもしれない」
       と分かる(想像する)ようになる。
     
メタ認知が未熟だと…
不登校の子は
「…クラスメイトの一人と意見が合わなくなった場面で
相手の立場とか思いを理解できず、
相手の言動に対して寛容になりにくくなる。
思いがけず教師から評価されなかったり、
友だちから注目されなかったりした場面でも同じことが起こる。」

「そうした状況は、だれにとっても不快なものであるが、
不登校になるような人は、相手との対人関係を通した解決が図りにくい。
(中略)あの『嫌な感じ』をずるずる長引きやすい。
長引けばその経験はゆがみの元になる。」

「不登校の子どもに自信欠如や被害感、不信感の強さがあるとすれば、
それは原因というより結果的な『ゆがみ』である場合がほとんどである。」


……う~ん。
私もあてはまりそうです。
人間関係で嫌なことがあるとその場面を何回も頭の中で反芻して切り換えられません。
やがて、自信欠如、被害感、不信感が…思い当る…。ひとりでいる方がラク。
中学生のとき、担任の先生が見かねて
自分が思うほど相手は気にしていないよと言われたことがあります。
当時は「そうかもしれない」と思いましたがあまり聞く耳をもってませんでした。
でも今も覚えている有難い言葉でもあります。




本書はこの後、
各リスクへの対応について述べ、「使えるところは使っていただければありがたい」と不登校対応の章へつながります。



対話術の方では、人との接し方、どう話したらこちらの話に耳を傾けてもらえるか、単に同調するのではなく相手が冷静に話しやすくする話の持っていく方法について、実例をあげながら述べています。
ああ、人間の心理ってこうなんだなと。どうしてそう言った方がいいのかそのマインドも説明してくれます。

対話術の要点をまとめようと思ったのですが、
本書の「気遣い」を反映させてまとめるのは難しいです。

興味のある方は、本書を読まれることをお勧めします。





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不登校生との対話術「的を外す」とは 

小栗正幸氏の対話術
不登校のリスク要因、「こだわり」の強い子への対応について

人は誰でも自分のことを否定されるのは嫌なものです。自分の考えも否定されたら、相手と楽しく対話するのは難しいですね。子供も当然そうです。否定されたら、心を閉ざしたくなります。
でも、間違った考えだったら肯定できない、否定せざる負えない、でも対話の道は断たれかねません。

ではどうしたらよいか?

ここで登場するのが、氏の言う「的を外す」です。
子供のこだわりについては何もふれない(的を外した)が、子供のことは肯定する。ここから対話がしやすくなります。

 不登校の子に対する氏の「的を外す」対話術について具体例もいれてまとめてみます。





「こだわり」…筆者は以下のことが不登校原因かたまりのように見えるそうです。

①「友だち」にこだわる。
…みんなと仲良くする…実際は不可能です。

②「一番」にこだわる。
…「負ける」ことを受け容れられない。
小学校三年くらいまで勝つことや負けることよりも遊びとして楽しめるようになれればよいが。
中学生、高校、大学生になっても例えば集団競技で、みんなで頑張ったけど負けた場合、チーム内で「お前のミスで負けた」などと個人攻撃する人は「勝ち負け」の課題が未消化。

③「いいかげんさ」がない
…これがあるからこそ少々難しい問題も「まあいいか」と無難にその場が切り抜けられる。

④「矛盾」とつきあえない
…悪としての矛盾は無くす努力はするべきだ。しかし、世の中は矛盾に満ちている、子供たちもその矛盾との付き合い方を身に着けてほしい。
   小栗氏曰く、学校は矛盾に満ちているので、
   矛盾の付き合い方の学べる場になるとのこと。

不登校対応 短期目標と長期目標をたてる。
 短期目標
  利害一致を起こしやすい課題を見つける。
  筆者の場合は2~3週間
 長期目標
  今は起こっていないが、
  短期目標の積み重ねで1~2か月後には
   利害一致を起こせそうな課題を見つける


そのための対話とは
うまくいってないところや、改善を要するところでなく、
 本人が納得できるところを足掛かりにする。
②感情でなく理性に訴える。
③本人が気づきやすいようにサインを出す。
④意見が違ったときは楽しめる雰囲気をだす。
  (「それもおもしろいじゃない」など)
 楽しい雰囲気で対話が終わるように配慮する。

子供を変容させるという発想をもたない。まず失敗する。

「こだわり」…指導困難な状況を作る最強要因である。

こだわりへの対応
①こだわる人の言辞は「こだわる」ことに意味がある。
②肝心の理由の説明を聞いても周囲が納得できるものではない。
③周囲が「なんだそんなわかりきっている」ことを気にしている場合が多い。

基本姿勢
①子供の「こだわり」を意味あるものと受け止めすぎない。
②しかし、あからさまに「こだわり」を無視することもダメ。
③押しても引いてもだめ。

ここで登場するのが、冒頭で述べた、肯定的に「的を外す」です。

たとえば
「何もしてほしくない」という決め付けには

やりがちな対応
①真っ向から応じる
「そっとしておいてほしいのですね」「干渉されたくないのですね」
  …×「こだわり」そのものを肯定してはいけない。
②逆に×「こだわり」は否定しても緩和しない。


  元々こだわりやすい子供への指導だから。
  是正したい、こだわる傾向を変容させたいという指導は大抵失敗する。
  

〇肯定的に「的を外す」
①相手を否定しないことは大切だが、こだわりは肯定しない。
「何もしてほしくない」というこだわりに対して
 「自分の意見をはっきり言うのは大切なことだよ」と応じる。
②これは、「こだわり」自体は肯定しない。
 子供が自己主張できたという事実を褒めることで「的」を外している。
③「的」は外しているが、肯定的な表現を用いているので、
  子供の感情を害することはほとんどない。これが対話の糸口になる。

こだわりやすい傾向を否定せず、対話につなげていく。

「こだわり」の内容を役に立つ「こだわり」に変えていく。

「こだわり」は悪いものではない、むしろ宝の山でもある。

小栗氏のエピソードの中に、
 勉強のできていた中学生が「勉強や学校に意味がない」と急に言い始め「学校に行かないこと」に決めてしまい、一年くらい行ったり行かなかったりの状態が続き氏のところへ来ました。
話してみると歴史に非常に詳しい、それも鎌倉時代だけ。かなりマニアックな内容を氏は「おもしろいね」と聞き続けました。少しずつ「歴史でご飯を食べている人がいる」と話しました。すると本人から有名大学の歴史学部のリストを持参して、高校、中学に行った方がいいとその理由をとうとうと説明して自ら学校へ戻り、難関高校へ進学したそうです。
 勉強とは一言も言わず、勉強に付き合い、進学を動機づけ、進路指導らしきものも行ったわけです。子供の言った「勉強や学校に意味がない」に氏は一切こだわらなかったそうです。
 後日談で、歴史を専攻するために大学進学したそうです。ところが鎌倉時代に関係ないドイツ近代史を専攻したらしいとのこと。そういうことはよくあることだそうです。

こだわりは否定せず何かのきっかけにつなげることが大切ですね。

以前聞いた、舞台演出家の宮本亜門氏の話を思い出しました。

宮本氏が
趣味や嗜好がクラスメイトと合わず不登校、引きこもりになったときのお話です。
不登校が長引き両親が心配し病院へ連れていかれました。
その時のお医者さんの対応は…
宮本少年の好きなことの話を
それはおもしろいね。いいねと。一生懸命、聞いてくれたそうです。
クスリの処方は一切なく
病院から帰るころにはすっかり元気になったそうです。

これも「的外し」では。…「学校へ行きなさい」は一切なかったようです。

医師が肯定してくれたのが大きなクスリになったのですね。

肯定がいかに大切か。

そのための「的を外す」です。

繰り返しになりますが、
子供の「こだわり」がもし間違ったことだとしても、「的を外す」ことで肯定できる面をみつけ褒める、ここから対話がひろがり、宝の山ともいえる「こだわり」から解決の糸口を子供とみつけることができる可能性があるのですね。
先ずは、なぜ「的を外す」ことをするのか、そのマインドをきっちりこころにおいてから実践したいと思います。あくまでも対話できるようになることが目的です。






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