『出ていけ!子どもたち』…タイトルが明るく豪快で惹かれて思わず手に取り読んみました。この本で「サマーヒル」を知りました。サマーヒルはフリースクールみたいだなと思い、検索したらサマーヒルは「世界でもっとも古いフリースクール」という言葉が出てきました。この本は不登校についての本ではありません。でも、とても興味深い本です。


 大阪で小さなパン工房を営む一家は二歳違いの三人の男の子がいます。
著者(母親)の発想のもと、
 この本のカバーには概要次のような内容の紹介があります。
 11歳の長男をイギリスのサマーヒルへ。次いで、次男もアメリカの学校を経て長男のいるサマーヒルへ。三男は中学校を卒業後、北海道の高校へと進学します。この本はそれらの経緯が語られます。巻末に2000年正月に久しぶりに家族が揃い、少年から青年になった子供たちと協力を惜しまなかった夫、それぞれに当時のことを著者がインタビューします。




 著者がサマーヒルへ長男を入れようと行動を起こすと、次々と援助者が現れ…行動を起こすことは大切ですね。道は開かれ、あれよあれよという間に長男はサマーヒルへ。

この本がいいなと思ったのは…
 家が手狭だから子ども達に出て行って欲しいと明るく言い放っているところと、子どもたちを画一的にとらえていないことでした。サマーヒルへ気持ちが動いた理由は著者一家は学校よりも家族中心で行動するので、管理の厳しい日本の学校とはいろいろぶつかると覚悟をしなくては…という思いがあったから。そんな自分の思いに子ども達を巻き込みながらも、「合わないことは合わないと言える人になってほしい」とも著者は述べています。

サマーヒルについて…
 著者は学生の頃、サマーヒルの創設者A・S・ニイルの本を読んで感銘を受けたそうです。

 この本で語られたサマーヒルは…
 「世界で一番自由な学校」と。創設者ニイルは「子どもは善良であり、悪なるものではない」「学校に子どもを適応させるのではなく、子どもに適応する学校を作ろう」と述べているそうです。

 サマーヒルには通知表も成績表もない。「心のバランス、寛容、幸福」を身につけるための場所です。
 著者はイギリスに留学させたのではなく、サマーヒルに行っていると捉えてます。別に英語ができるようになるとか、何になるとか何のためではなく、しいて言えば、気づき、自覚し、自分自身になるためであると。

 サマーヒルは自分自身になるための「ウミを出す期間」があるそうです。それは、社会から押し付けられた規範をすべてをはきだし、本来の自分を取り戻させる期間だそうです。
 長男は初めての帰国当時はお父さんがケガをされていたので家業は手伝ったそうですが、家ではゴロゴロするか、眠ってばかりで親としては不安になったそうです。でもこれが「ウミを出す期間」だったようだと。
 二年目の頃にはどんどん自分を取り戻し、長男であるという社会的規範の中で自分の辛かった思いを母親(著者)にストレートにぶつけられ、母親も涙んぐんだものの長男との関係がスッキリしたエピソードが語られます。


 ネットで検索した内容を加えると…
 サマーヒルは子どもが授業に出ることを強制しない学校。授業に出るか出ないかは子供しだい。
 子どもたちは学びたいことが見えてくると、通常のカリキュラムで設定されている期間よりもずっと早くマスターしてしまうそうです。だから授業は年齢分けされてません。
 規則は自分たちで決める。学校は子供が作る。大人はその援助者である。サマーヒルの出身の青年は「ぼくらはサマーヒルが大好きなのでサマーヒルの評判をくだらないことで落とすことを一番恐れている。」と。それを守るためのルールであり、やぶった場合の罰則も決めています。

 ところで、子どもの教育がうまくいくとはどういうことでしょうか。
 ステレオタイプで言えば…子どもが社会的に高い地位につくとか、高収入を得るようになったとか…テレビの情報番組ではおおむねそんな評価を野放図に流しています。その方が分かりやすいですし。でも、言うまでもなく、それは一面にすぎないですね。ただ内面はわかりにくいからテレビのようになってしまう。(並行して読んだノンフィクション作家の随筆も知人の娘を「年収一千万円の成功者」と繰り返し書かれていたので…これが世間なのかしらと…いい本でしたがそこだけちょっと…。)

 教育はその子の根本に「生きる力」をつけること。生きる力があれば、世の中が変わって、どんな状況になってもくじけず生きていけます。他のものはあとから付いてきます。著者もそんな思いがあってサマーヒルへ11歳の子どもをおくりだしたのでは。

 自分のものの見方を変える、あるいは「他の人と違っていること」を不安に思う気持ちを明るくしてくれる本でした。
 

追記 
サマーヒルスクールサイト(英語)





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