「勉強」とは…熟語の成り立ちからみると「強いて勉める」と読める。
  わぁー強制的だ
  「ビりギャル」で有名な坪田先生によると
  学校に行った人の80%が「勉強が嫌い」と答えたとの記事を見た。
  この意味ならば納得の数字…

塾の個別指導。
勉強を受け付けない中一の子の
英語と数学。
復習をすると…
「覚えてない」「わからない」と拒否。
宿題は一切やらない。

前回と同じ説明をする。
塾の方針は予習だが、
学校の授業進度よりも周回遅れ。
どの講師にも同じ反応。

ある意味、意志が強い子だ。


勉強が本当に嫌ならかわいそう。
でも塾は遅刻するが、休まない。
授業中は筆記用具が壊れたとか、
トイレへ行きたいとか
いろいろなことをして、授業時間のロスを起こし続ける。
更に、うたたねをする。猛者。

英語
ふと試しに
例文の主語をcatに替えた。
すると顔が輝き、
「カバは?」
「サイは?」
「カピバラは?」と質問しだした。

カバはたまたま知ってたけど…
カピバラはちょっと…(笑)
「動物が好きなの?」と聞くと
「違う」と言う。
でも「which animal  do you like?]と例文を書いたら
いつもは覚えないのに、animalを一発で覚えた。

「おかしいは?なんて言うの」
「バカは?」
「カッコいいは?」ときいてくる。

どんな単語をきかれてもおもしろがって応じた。
ちょっと悪いことした感が子どもも好きなのだ。

「学校じゃ役に立たないこと沢山、教えるよ」と悪乗り。

これだけ興味を見せるなら…辞書をみせた。
のぞきこんできて、おもしろがり、勝手に辞書を読み始めた。
その日の授業の半分はこれでつぶれた。まっいっか。

ヘンな単語の並ぶ例文をノートにとらせながら、
「お母さんが見るかなあ?」とちょっと心配すると…
「見ないよ」とその子。
でも、ボードにそんな例文がいくつも並ぶと
周囲の目を気にして
「早く消した方がいいよ」とはずかしそう。

そう、しっかりした子です。

もののついでに
「eaと続くと『イー』と読むことが多いよ」とボードに書くと、
指示しないのにノートにとる。こんなの初めて。

数学の授業のときに
「英語が好き」と言い出した。

設問を解きながら
「Englishを見ないで書けたよ」と言う。

単語の和訳テストを見せると
見もしないで「分からない、できない」と即、拒否。
でも「読めるのはあるかな?」と促すと…
プリントを見入り読み仮名をふりはじめた。
そう、まず読めればOK!

次の授業で、また同じプリントを出したら
即拒否。
「意味でも、読みでも書けたら点あげるよ」と提案をすると
のってきた。
40題ある単語の意味はあまり書けなかったが、
読みはほとんどができた。
意味も多少は覚えているようだが、
間違えるのを怖れるのか書きたがらない。
この怖れは少しずつほぐそう。

そして文法の勉強…
テキストの説明に聞き入る。
アホな例文は不要になった。

チュートリアルもすぐにとりかかる。
まだ、一緒にやる必要はあるが、
これなら、一人で解くようになるかも。

塾からは宿題再開の指示が出た。

…………………………

……やってこない…

…………………………

そう簡単にはいかないか…

でも、例文に使う単語を選んでと
辞書を渡すと喜んで見入る。
「単語選んで」の指示は従わないが、辞書を楽しんでいる。

これもひとつの芽…大事に育てよう。

……勉強に自ら取り組むようになり…

めでたしめでたしとは……そうは簡単にいかないが。

英語に対する拒否感は減った。
変わったことを言わなくても問題に取り組むように。
授業時間が余ったときは辞書で遊ぶ。


数学は
計算を掛け算を足し算と間違え、
直前に説明した内容を確認したら、
「忘れた」とバッサリ。

たまにちゃんと取り組む。
計算ならつきっきりでなくてもする。

チェックテストもするように。

あまり続かない…

うたたねもする。
でもここまで来たら起こす。

つらいなあ。

でも空気を読んで

教える側の「都合のいい子」になったら


それはそれで喜べない。


勉強とは…強いて勉める…

なんとか、楽しめるようにしたい。

なかなかむずかしい…。

まあ、あきらめません。
ときどきめげかけるけど(笑)

授業後、その子に笑いながら
「(したくない)勉強をよく頑張ったね」と声をかける…。
「鍛えてくれてありがとう……」と心の中で思う。

定期テストの結果が出て
成績があがらず、
「役に立てなくてごめんね」と言ったら
その子は
とてもびっくりして狼狽えた顔をした。

私の方がびっくりした。

勉強ができる、できないはその子の要素のほんの一部に過ぎません。





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