ツイッターの不登校関連のつぶやき、最近、学校を中退した子の周囲のお話など…60年前の引きこもりの対応とまったく変化がない思いました。
 不登校の方がコロナ禍前年ですが自死したお話も身近な方から聞きました。
 善意でやってはいけないことを繰り返す…これは引きこもりですが不登校に置き換えられます。

不登校も引きこもりも、そういう言葉さえがなかったころ。
60年以上前の話です。

出社拒否の男の人がいました。

今で言えば「引きこもり」です。

認識の全くない時代でしたので
その人へは「やってはいけないこと」を周囲は沢山しているのですね。
そして、最悪の結果を招きました。

「昔のことだから」と簡単に片付ける気にはなりません。

現在は昔に比べて「引きこもり」が認知されてますが、
それでも「わかる人」たちにアクセスしない限り
同じ過ちをする可能性は大きいと思います。

その男の人は
ハンサムで、有名私立大学に通い、
勉強もスポーツもよくでき
母親自慢の息子だったそうです。
父親は有名一流企業の役員です。

大学を卒業後、父親の会社と同系列の一流企業に入社しました。
すべて順調でした。

ところが、
会社へ出勤するようになると「吐き気がする」と帰ってきました。
とうとう会社を辞めました。

そして…ずっと家にいるようになります。

両親は結婚をすれば立ち直るのではと
男の人は結婚をします。
子供も生まれました。

趣味でカメラをたしなみ、車も与えられお嫁さんが子供の園の送り迎えに運転しました。
外側からは贅沢な生活をしているだけのように。

でも、自立できません。

引きこもり生活が10年に及びました。


父親は心臓に持病を抱え、養わねばらない息子を責めました。
「お前を殺して自分も死ぬ」と口癖のようにいいました。
母親はかばいました。

父親が救急車で運ばれると…母親と息子は財産をどうするか相談する…
他の兄弟に財産放棄を要請するなど…働けない男の人は父親の遺産をあてにする…
イヤな話です。

男の人は30才を過ぎました。
子供は6歳に。妻は不安をもらし…離婚を示唆したそうです。

それで両親は自分たちでは手に負えないと気づき、
やっと外へ相談したのでしょうか…男の人を入院させました。
しかし、男の人は病院を抜け出し、命を絶ちました。

たまたま近所の子供がその頃の男の人を見たそうです。
夕刻、その家族の家の前の坂道で遊んでいたら、
白いシャツにグレイのズポン、素足に下駄をつっかけた男の人が立っていました。
そのときの男の人のうつろな顔が忘れられないと言います。
その子が目の前にいて、男の人を見上げてるのに気づく様子もなかったそうです。

家族の嘆きようは大きなものでした。
父親は死ぬまで息子の腕時計をし続けてたそうです。


不登校は若ければ若いほど回復力があります。
不登校ならまだ、間に合います。


出社拒否で周囲の認識もなく不幸な結果を招いたこの事件を悼みます。







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