チーム・ブライアン
ブライアン・オーサー
講談社
2014-11-21

「チーム・ブライアン」(講談社)を読みました。
教育の原点が語られてます。
ブライアン・オーサーは言わずと知れた、フィギアスケートのキム・ヨナ(バンクーバー五輪)と羽生結弦(ソチ五輪)、二人のオリンピック金メダリストのコーチです。
この本はブライアン・オーサー氏へのインタビューで構成され、羽生結弦選手との対談も収められています。

金メダリストを出してもブライアン・オーサー氏は謙虚です。
自分のところに来る前に選手を支えたあらゆる人、コーチの方々への尊敬と感謝を忘れない。
自分のところに来たスケーターはうれしいことにいろんなクセやスタイルをもってきてくれると。そこに前任者たちの愛情を感じると述べています。

チーム・ブライアン…ブライアン・オーサー氏は他に20人以上のコーチとチームを組んで ます。それぞれの得意分野を生かして選手を見ます。

どういうコーチングをしたらいいか 選手の特性をじっくりとみて最良の方法を見つけます。
例えば
ジャンプひとつにしても羽生選手とハビエル選手(スペイン初の男子世界選手権メダリスト)はまったくタイプが違うといいます。
ハビエル選手に羽生選手のようなジャンプを試して合わないとわかると、
ハビエル選手に合うジャンプで加点を得られるにはどうしたらよいかと
綿密にリサーチし、良いプログラムを考えます。

プログラムを組むのもハビエル選手にはいろいろアドバイスしますが、
羽生選手は自分の世界観をもっているので安心して任せているなど対応が違います。

プライベート面もハビエル選手はカバーが必要、羽生選手はひとりでいたいタイプと対応します。

要はその選手にとって何が必要で必要でないか見極めます。

また、本人が納得するまで根気よく、待ち続けます。
例えば練習量
オリンピックに自分のピークを合わせるピーキングについて述べていますが、
そのためにはトップスケーターは多すぎる練習量を調整する必要があります。
しかし、トップスケーターほど練習量を減らすのを嫌います。
その必要性がわかるまで経験をつませ、納得するまでじっくり待ちます。

そして何より大事にしているのはフィギアスケートを楽しんでもらうことであると。

メダルをとることが最終目標ではありません。

例えば、キム・ヨナ選手について
チーム・ブライアンでレッスンを始めた頃は泣いている練習しか印象に残っていない、スケートの楽しみ方を知らないと思ったそうです。
バンクーバーオリンピックの頃には笑顔がでて自ら楽しめるようになっていた。
その後、残念ながらチームとは別れてしまったそうですが、
キム・ヨナ選手がもし、「(ブライアンが)スケートをする喜びを発見させてくれた」と思ってくれたらとてもうれしい。
金メダルよりも大切な宝物になるはずだと述べています。

じっくり、その子の特性を見て、その子に合う方法を見つける。
本人が納得するまでじっくり待つ。
その子にフィギアスケートの喜びを味あわせる。

チーム・ブライアンは、かなり贅沢な「教育機関」ですし、
始めからモチベーションのある選手がくるなど恵まれていますが…

教育の原点として学ぶべきものがありました。