不登校は文化の森の入口
渡辺 位
東京シューレ出版
2006-11-20





 この本は不登校に関する名著です。


 不登校を通していろんなことが見えてきます。子供は大人の鑑。大人社会の問題が投影されます。



「大人の問題を子供という弱いところにしわよせする、問題児をつくることで大人は自分たちの問題をごまかしている」と著者はいいます。


 中でも日本の公教育は軍隊的であるとの指摘が興味深いです。

 制度化された1885年頃の時代背景に戦争があったということがその根拠です。
 軍隊的特徴…確かに
、整列して歩調をとって歩く、制服、教師の体罰、児童生徒に対して支配的、強権的な傾向等うなずけます。

 余談ですが…2017年11月の報道された教師による小学2年生女児への暴行は本来ならば傷害罪です。それが適用されないのが不思議です。ところで、戦時中の日本軍も上官による下士官への暴力が常態化してたと聞きます。こんな面まで軍隊と似ているのでしょうか。

 戦争当時は「国の役に立つ人間」を育てること。だから学校教育もそれに貢献したわけです。

 今でも当時のクセが抜けていない面があると指摘されてます。高度経済成長期のころは「戦争」から「経済」に切り替えただけで本質は同じだったのではと思いました。
  
要するに公教育制度は
元々「人育て」ではなく国策に沿う「人間作り」が目的です。教育に
熱心であればあるほど人間を一つの目的に合うよう「一律化」していく傾向になります。他の人と違うことが受け入れにくい社会へとなりました。

 このような時代背景の考察をすることでものごとの本質が見えてきます。歴史を勉強することの本当の意義はこういうことです。

 話を戻します。不登校の子供達はそれに「No」と言っているのですね。無意識に。だから、かわいそうなことにその子は「一律化」に当てはまらないので、私はおかしな人間だと自分を責めることになります。
 不登校の解決は学校に戻ることだけではないという声が稀ですがやっとマスコミでも言うようになりました。

 国策教育から世の中の動きを見ると、

 数年前に、
ニート、ひきこもりをマスコミが大きく取り上げた時期がありました。

 しかし、ニートやひきもりは昔からいました。急にクローズアップされたのは、
国の赤字財政、年金の不安、少子化などの政治の問題が背景にあると思います。つまり国策に沿わない…
 国策が困る「定職、定収のない人」ニートを追い詰めるのと、不登校児童を問題視する構造が似ています。

 一律化をよしとする教育に適用するのが良いとされた教育を受けた大人たちはそんな世の中の風潮に流されない本質に気づくのはかなり難しい…。

 いろんな人がいていいという多様性に寛容な目を持ちたいです。

 不登校ではなくても、子供に合う教育を求め、学校に行かずホームエデュケーションを選べる、その上、補助金も出す国があります。その動きは日本でも始まっています。
 


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